鉄くずの種類
鉄スクラップの種類
工場や工事現場で発生する鉄くずスクラップは、厚みや大きさによって取り扱い方が変わります。こちらでは規格や加工の必要性などをご紹介いたします。
新断スクラップ
機械製品を製造する工場において、鋼板を加工する際に発生する切りくずや打ち抜きの端材です。塗装やメッキなどの不純物がないので、高品質のスクラップとして取引されています。
鉄くず:H1
H型鋼などの形鋼や鉄筋などの鉄スクラップで、せん断加工したものです。幅500ミリ以下・長さ1200ミリ以下・厚さ6ミリ以上とされています。H1のHとはヘビー屑の略称で、H1とH2…と数字が増えるごとに品位が下がります。
鉄くず:H2
国内の鉄スクラップの中で最も流通しているといわれている、鉄スクラップです。建築物の解体工事などで発生する鉄骨・鉄筋が多く、幅500ミリ以下・長さ1200ミリ以下・厚さ3~6ミリとされています。
ギロチン材A
ギロチンとは長尺物の金属スクラップで、切断加工をする必要があるもののことを指します。ギロチン材Aは、H型鋼などの形鋼や鉄筋などの6ミリ以上の厚さの鉄スクラップで、H1屑を生産するための母材です。
ギロチン材B
ギロチン材Bは、鉄骨・鉄筋などの3ミリ以上の厚さの鉄スクラップで、H2屑を生産するための母材です。
ギロチン材C
ギロチン材Cは、スチール棚や屋根材、ブリキ、トタンなど、厚さが3ミリ以下の薄い金属を指します。
鉄くず(級外)
ジュース缶や鉄ワイヤーなど薄い金属スクラップで、一般的な家庭から発生する金属ゴミなども取り扱われます。
ギロチン材Cと同じ扱いをする地域もあります。
ガス材スクラップ
ギロチンなどの一般的な加工ではなく、ガス切断による加工が必要な肉厚で大型のスクラップ材の事を指します。
鋳物スクラップ
用途を終えた銑鉄で、老朽化したスクラップのことを指します。1辺が1200ミリ以下のブロック状態で、ギロチンによる加工が難しく、ガス切断が必要になります。
鋼ダライ粉
鉄の鋼材を金属加工をする際に発生する切削くず(切粉)です。
敷鉄板
敷鉄版は、建設工事や仮設設備、作業場の養生などに使われます。金属スクラップにするよりも、中古品としてのニーズがあります。
ドラム缶
ドラム缶や一斗缶など、液体を保管する容器のスクラップのことです。(内部に残液がない状態が理想です)
非鉄スクラップの種類
非鉄スクラップは鉄以外で出来たスクラップの総称で、電線、銅、真鍮・砲金、アルミ、ステンレスなどに分類されます。メーカーによって細かい規定があり、金属の重さによって価格の変動があります。
電線スクラップ
電線スクラップは周りがビニールで覆われている銅線のことを言います。銅が多く含まれるほど取引価格は高くなります。
銅スクラップ
銅には電気を通しやすい性質があり、電子機器や電線など様々な場面で使用されています。銅は私たちの生活に欠かせない金属なので再利用するためリサイクルを行なっています。
真鍮・砲金スクラップ
真鍮(黄銅)は銅と亜鉛、砲金(青銅)は銅と錫の銅合金です。真鍮は水道管やナット、金管楽器などで使われています。砲金は水道メーターやバルブなどで使われています。砲金の方が銅の割合が高いため、真鍮よりも高価で取引されています。
アルミスクラップ
アルミニウムは軽量で加工がしやすいため、流通量の多い金属です。自動車のエンジンやアルミホイール、建築関係のサッシ等で多く使用されています。
ステンレススクラップ
鉄とクロムとニッケルの合金鋼です。錆びにくいため、シンクや浴槽、厨房設備、鉄道車両の構体などに使用されています。基本的に磁石につかないのですが、磁石につく種類の物(クロム鋼)は鉄スクラップの取り扱いになります。